シロアリの被害に気付くうえで生態や羽アリ、被害の兆しを知っておくことはとても重要です。
このページでは種類別のシロアリの生態、羽アリの群飛時期や被害の事例などを紹介いたします。
もしかしてシロアリ？という場合に参考にしてみてください。
シロアリってどんな虫？
シロアリは名前の通り白いアリと思われている方が多いと思いますが実は先祖を辿るとゴキブリの仲間なのです。女王アリや働きアリ、兵隊アリなどの階級があり同様に社会性を持っていることからアリという名前がついたようです。
また、ゴキブリの幼虫とシロアリの羽アリの羽がとれた状態が似ていることからもゴキブリの仲間というのも納得です。
また湿気が大好きで陽の光を避けて暮らしています。
外をシロアリが歩いているのを見かけたことがないのはそのためで腐った木を抜いてみたり廃材を裏返してみたりすると比較的簡単に見つけることができます。
シロアリの羽アリとクロアリとの見分け方
画像参照：日本しろあり対策協会
| シロアリ | クロアリ | |
| ① 触角 | 数珠状 | 『く』の字型 |
| ② 翅（ハネ） | 4枚の羽がほぼ同じ大きさ | 前羽が多きく後羽が小さい |
| ③ 胴体 | くびれがなく寸胴 | 腹部がくびれている |
シロアリの種類と特徴
ヤマトシロアリ
群飛時期：4下旬～5月（沖縄は2月頃、東北・北海道6月頃） 時間帯：昼間です。
比較的寒さに強く日本の多くの地域に生息しています。イエシロアリと比較して加害は遅く、水を運べないため、常に湿った木材・廃材・地中に生息しています。そのため主に地下からの侵入が多く、土台や柱、お風呂場やキッチンなどの水回りに被害が多いのが特徴です。
イエシロアリ
群飛時期：6～7月 時間帯：夜間に群飛して電灯に飛来します。
低温に弱いので太平洋側の温暖な地域に生息しています。食害のスピードが速く加害の激しいシロアリとして知られています。土の中に大きな巣を作りここに女王アリを中心としてコロニーを作ります。乾燥に弱いながらも水を運べるため、木や廃材を湿らせながら加害していくので、被害は建物全体にも及びます。
ダイコクシロアリ
群飛時期：5～8月 時間帯：夜間に少数ずつ群飛して電灯に集まってきます。
シロアリの被害
蟻道（ぎどう）
シロアリが移動のために作るトンネル
シロアリは乾燥に弱く陽の光や風が苦手、そのため土と自らの排泄物で土のトンネル（蟻道）を作ります。
床下からそのまま歩いて移動してくるのではなくこの土のトンネルを通路として家屋の木材に侵入してきます。
床下に蟻道がないかプロはチェックします。
羽アリ
1年に1回新たな女王アリ、王アリが新しい巣を求めて飛び立ちます。
その時に巣の約1割程度が一斉に飛び立ちます。
建物の被害はもちろん、かなりの数が飛び立ちますので見た目も決して良いものではありません。
全て飛び立ってしまえばその年は出なくなりますが何も対処しないと翌年は数も被害箇所も更に増えます。
食害（玄関）
シロアリの被害の特徴は木材の年輪は固いため食べず柔らかいセルロースという部分だけ食べます。木が腐ったようなものがあったら年輪が残っていればシロアリの食害、年輪が残っておらず全部崩れているようでしたら腐れと見分けることができます。
食害（庭の杭）
地面に直接刺さった木製の杭はシロアリにエサを与えているようなものです。木製ではないもので対処しましょう。
アメリカカンザイシロアリの特徴
アメリカカンザイシロアリはヤマト、イエシロアリとは全く異なった性質をもっていて乾燥した木を好んで食べます。そのことから湿気が多い床下より乾燥した屋根裏などに被害をもたらすことが多いです。
また地中からではなく羽アリが外から飛んできて家屋に浸入するので防ぐのはとても困難です。
アメリカカンザイシロアリ
群飛時期：6～9月（条件が整っていれば１年中） 時間帯：昼間に数回ずつ何度も群飛します。
アメリカ産の外来種。今日本の各地で発見されている要注意なシロアリです。土の中には住まず、湿気の無い乾いた木材でも生息出来るとても生命力の強いシロアリです。アメリカカンザイシロアリの被害は、床下から壁・天井裏まで広がりあらゆる木製品や家具まで食べてしまいます。行動範囲は、ヤマトシロアリやイエシロアリと比較にならない範囲になります。
アメリカカンザイシロアリの被害
アメリカカンザイシロアリの被害の特徴としては粒状のフンです。
侵入した木材には１ｍｍ程度の穴を開けそこから粒状のフンをします。
同じ穴からフンをするので被害がすすとこんもりと山のようにフンが溜まっています。
被害を見つけるにはこのフンと6月～９月頃飛び立つ羽アリからになります。
侵入されてから時間がたつと被害が広範囲となり完全駆除が困難になりますのでこれらを見つけた場合は早めの対処をおすすめします。