ハトの生態と被害

平和の象徴と言われとても親しみのあるハト。

そんなハトですが私たちの生活に『鳥害』として害を及ぼすこともあります。

ここでは生態や習性、被害の実情をお伝えします。

ハトの生態

ハト一羽

繁殖

  • ハトは一度に2個の卵を産む。
  • 条件が良ければ年間7~8回産卵する。
  • 寿命は10~20年で生後2~3年後が最も成熟する。
  • 繁殖期間は1年中だが、特に春から秋にかけて繁殖が盛んになる。
  • 卵は平均18日で孵化し、孵化後40日ほどで巣立ちします。
  • ヒナは約6か月で成熟し産卵できるようになる。

習性

  • 巣は一つでわらや小枝などを使い営巣。
  • 神社やビル、工場、駅の天井部の配管の上、高速道路の高架下、ひさしの下、マンションのベランダ、室外機の裏、橋梁など、雨水の当たらない高所に営巣する
  • 一度作った巣からなかなか離れない。
  • 巣以外にエサ場や休息場所を持っており1日の大半を休息場所で過ごす。

一日の行動パターン

公園のハト

朝:日の出とともに行動し始め公園などでエサを探す。
昼:近くのエサ場が観察しやすく見晴らしのよい場所で休憩したり、水たまりで水浴びをしたり外で遊ぶ。
夜:建物の軒下や橋桁などの巣に戻り休む。

ハトによる被害

糞による被害

ハトは自分の糞がある場所が安全な場所と判断し他の鳥類と比べ多くの糞をします。

  • 工場や倉庫などで、ハトの糞が製品や外装を汚したり、製品に混入したりする。
  • 駅のホームや建物の軒先からハトが糞を落とし、通行人の服などを汚す。
  • ベランダなどに住み着いたハトが糞で手すりや床を汚し、悪臭を放つ。また洗濯物が干せなくなったり、ベランダの排水溝が詰まったりする。
  • 糞がたまることでゴキブリやハエが発生し、不衛生に状態になる。
  • 糞は強酸性であるために、建物の鉄骨や天井などの木部などに付いた場合は腐食・腐敗を早める。
    建物や施設の資産価値を損ねる。

外部寄生虫による被害

糞だけでなくハトそのものにも下記のような鳥類に外部寄生するダニ類がいるので要注意です。

  • トリサシダニ : 野鳥、家畜、ペットを吸血する。6月~7月に被害が集中することが多くペットから人に移り刺すこともある。
  • ワクモ : 昼間は鶏舎の壁や止まり木などに潜在し、夜になると鶏やハトに忍び寄り寄生する。人も吸血する。
  • ウモウダニ : 鳥類の羽根にたかり、羽毛などの屑を食べる。人への刺咬はない。

病気

ハトや野鳥は様々な病原菌やウイルスを持っており、羽毛や排泄物などを吸い込んだ人も感染します。

  • クリプトコッカス症 : クリプトコッカスというカビ(真菌)の一種による病気。ドバトの堆積し乾燥した糞が飛散し菌が舞い上がり
    呼吸器官から体内に入り、肺に初発病巣を作り、最終的に血管を通って脳の中枢神経を侵します。特に小児や高齢者などの免疫の低い人たちは要注意。
    軽症では皮膚炎程度ですが、重症になると脳を犯ししにいたることも。(症状) せき、胸痛、呼吸困難、頭痛、おう吐、発熱など
  • ぜん息等のアレルギー : 羽毛や乾燥した糞が原因となっていることがある。
  • 日本脳炎 : ハトは脳炎ウイルスを持っており、蚊が人にも感染する。
  • ニューカッスル病 :病原性ニューカッスル病ウイルスによって起こる鳥の病気。 まれに人に感染することがあり、結膜炎などを引き起こす。
  • サルモネラ食中毒 : 約2%のハトがサルモネラ菌を保菌するといわれる。乾燥して飛散したハトの糞が
    口に入ることにより感染・発病する。
  • オウム病 : オウム病クラミジアによって引き起こされる感染症。羽毛や堆積し乾燥した糞が飛散しそれらを吸い込むと感染する。人が感染すると、突然の発熱し、筋肉痛、全身倦怠感など、インフルエンザのような症状を示し、酷くなると肺炎になる。

騒音

電線に止まるハト

ハトが群をなして棲息し集団化すると人と同じで夜眠る習性があり朝起きると同じ場所で鳴きます。早朝の鳴き声や羽音が騒音になり、人の睡眠を妨害することもある。マンションの入居者や病院の入院患者から、ハトの騒音に関するクレームは多い。