ネズミの種類と特徴
日本の家屋や店舗、工場などに侵入するネズミは『ドブネズミ』『クマネズミ』『ハツカネズミ』の3種類です。
これらのネズミの生態・特徴・習性をご紹介
ドブネズミ
体型/特徴
体長 220~260mm。丸い鼻と重量感のある太い胴体。毛色は背が褐色、腹が白い、耳は小さく、尾は体調よりも短い。
垂直運動や綱渡りは得意ではないが、泳ぎは上手。
営巣・生息場所
巣は野外の植え込みや公園の緑地や建物床下、冷蔵庫モーター部、下水管、排水口、台所、カウンターの中などで、植木鉢の中に作ることもあります。
屋内では、地下や1階に多い。状況により天井裏にも。水辺を好み、多湿や寒さに強い。
食べ物
雑食性で、魚介類や肉などの動物質を好む傾向がある。
クマネズミ
体型/特徴
体長 150~230mm。とがった鼻と細い胴体。毛色は背面が褐色、腹面が淡い黄褐色か白色が多い。耳は大きく、尾は体長より長い。木登りが得意で壁や電柱を登ったり電線をつたって移動し家に入いることも。運動能力が高く、警戒心が強く、頭がよくて賢い。狭いところや物陰に沿って行動する。
営巣・生息場所
巣は天井裏や壁の内側、ビルの高層階などで屋内に多い。紙やビニール、布、断熱材などを使って巣を作る。
食べ物
雑食性でなんでも食べるが好物は穀類や果物などの植物質。毒えさ(殺そ剤)に耐性を持つ「スーパーラット」もいる。
ハツカネズミ
ハツカネズミ
体型/特徴
体長 60~90mm。頭も胴体も小さい。毛色は灰褐色。
営巣・生息場所
畑地などの屋外が主だが、冬季には周辺の家屋内に侵入し床下や壁内部に巣を作る。都市部でも家やビルに生息しているが港湾周辺の倉庫内に生息していることが多い。
食べ物
好物は穀類や種子などの植物質。
ネズミの寿命と出産
種類 | ドブネズミ | クマネズミ | ハツカネズミ |
寿命 | 約3年 | 約3年 | 1~1年半 |
繁殖期間 | 2~3か月で成熟 から2年 | 2~3か月で成熟 から2年 | 約2か月で成熟~ |
懐胎期間 | 平均23日間 | 平均22日間 | 平均19日間 |
懐妊回数/年 | 4~7回 | 4~7回 | 6~10回 |
出産数/回 | 平均8~12匹 | 平均6~8匹 | 平均5~6匹 |
主なネズミの生態
繁殖力
非常に繁殖力が高く、繁殖期も1年を通じてあるため異常なスピードで数が増えます。
20日程度で6~9匹出産するので、年間で30~60匹は増える計算です。
食性
雑食で非常に貪食、種類によって好みはありますが基本的にはなんでも食べる雑食性の動物です。また、1日に体重の4分の1~3分の1の量の食べ物を必要とします。飢餓に弱くエサが無くなると、寒い時には1日、暖かい時には4・5日程度で餓死します。
活動性
元々ネズミは夜行性ですが、人間に依存し屋内に生息しているネズミは、昼間でも活動することが知られています。
ほかの夜行性動物と違い、明るい場所で目が見えなくなることはありません。
また、活動場所が屋内か屋外かで活動時間は変わることはあります。
日の出後と日没後の数時間がもっとも活発に行動するといわれています。
異物への反応
警戒心の強いクマネズミは、行動範囲の中でいつもと違う状態、物の位置が変わった、粘着シートや毒エサが置かれているなどの環境の変化があると、強く警戒します。
ハツカネズミは好奇心旺盛で警戒心はあまり強くありません。
寒さが苦手
ネズミは寒さに弱いために、冬期や夜間は家屋に侵入します。ただし、いつまでも家の中にいるわけではなく、近くにエサがないと、家の中に作った巣と外のゴミ置き場などのエサ場との間で 出入りを繰り返します。
行動
警戒心が強いため、壁際や物陰を体が触れるようにして移動します。そのため、 生息場所近辺の壁や柱には、ネズミの体表の黒い汚れ(ラットサイン)や体毛が付着し、足跡が残っていたり、 糞が落ちていることがあります。
物をかじる
ネズミの歯は一生伸び続けるため、さまざまなものをかじり歯を削ります。
木に柱、壁、電線、ガス管、石鹸など硬いものはなんでもかじります。そのため停電や火災を引き起こすことがあります。
警戒心が強く、馴れやすい
警戒心が強くほぼ決まった通路を使います。いつもと違った状態になると極端に警戒しますが、それが続くと馴れてきます。
広い部屋を横断したりすることはほとんどありません。
ネズミの被害
衛生面の被害
ネズミは、大量の病原菌を運ぶとされるほか、イエダニや寄生虫を持っています。食中毒菌を持ったネズミの排泄物の汚染による食中毒の発症やネズミに寄生したノミにより媒介されたペスト菌に感染すると致死率のの高いペストに罹ることもあります。
病原菌に感染する以外にも悪臭やコトコトと走る音などによる不快感や不眠症なども深刻な影響となります。
経済的被害
ネズミは家の柱や壁、家具などをかじるほか、店舗であれば食品など商品もかじりそのことにより価値を低下させます。
また電気コードやガス管のかじりによる停電や火災、爆発事故等です。
これらは住宅やビルの停電などの事故につながり大きな経済的損害を招くことがあります。
ダニの被害
ネズミの体にはイエダニなどが寄生しており、ネズミから離れて、人体に被害をもたらすこともあります。
これらは、ネズミの巣にも多く、宿主のネズミがいなくなったり、死んだりすると吸血できなくなるので天井裏などから落ちてきて人を指します。