ゴキブリの生態と害

ゴキブリの種類と特徴

ゴキブリはゴキブリは約3億年前から姿を変えていない昆虫として知られています。

ゴキブリの種類は様々。熱帯を中心に、全世界に約4,000種、うち日本には南日本を中心に50種余りが生息しています。

人の生活圏で生息している主なゴキブリの特徴をご紹介

チャバネゴキブリ

体長・見た目:15mm程度、体はつやのある黄褐色で、胸部に2本の太くて黒い帯がある。幼虫は丸みを帯びていて黒く頭に茶色の線が入っている。

生態:チャバネゴキブリは夜行性で、昼間は物陰に潜伏しています。潜伏場所では群れをつくる習性があります。メスは温かい場所では1カ月に1度産卵し、1個あたり卵数30〜40個が入った卵鞘を産卵しふ化の直前まで持ち歩きます。幼虫の期間は約60日。20度を超えると活動が活発になりよく目にすることになる。17度以下になると活動が鈍り暖かい厨房機器のモーター部などに集まり潜伏する。また薬剤の抵抗性を持ちやすく駆除が困難になる場合が多い。

分布:全世界の建造物に分布するが比較的寒さに弱い。

生息場所:キッチンシンク下やダンボールの隙間、木製の棚の隙間、厨房機器の隙間に生息。人家にも生息するがビルなどの24時間温度の安定した場所を好む。

クロゴキブリ

体長・見た目:30mm程度、体はつやのある黒褐色。生まれたての幼虫は黒に白い線が入っている。成虫前は赤茶色。

生態:メスは1週間から10日ごとに、生涯で17回前後産卵。1個あたり卵数20~30個入った卵鞘を産卵。卵は30~40日間でふ化。約1.5~2年幼虫時代を過ごし、成虫の寿命は4~5カ月程度となっています。寒さには比較的強いですが摂氏20度以下で産卵は減少し、17度以下になると活動が鈍ります。

分布:関東地方以南の西日本ではチャバネゴキブリと並んでよく見かけられる種類だが、北日本では少ないが北海道にも生息。

生息場所:屋内では、暗くて湿ったトイレの浄化槽やキッチンなどに生息しています。屋外では、床下や壁内、排水溝、マンホール内などに営巣。

ヤマトゴキブリ

体長・見た目:20 ~ 30mm程度、色は黒褐色。

生態:オス翅があり飛び回る。メスはほかのゴキブリと比較して低温に強く、摂氏20度以下でも産卵、ふ化する。メスは卵が入った鞘を4~6日間隔で産む。1個あたり卵数10〜15個入った卵鞘を産卵。幼虫の期間は4カ月~1年。幼虫の状態で休眠し約2年で成虫になり、3~6カ月生存。

分布:東北から近畿地方を中心に分布し、北海道でも確認。採集記録の南限は岡山県で、中国・四国・九州には分布していないと言われている。

生息場所:基本的には家屋に生息しているが、森林等の野外にも生息。街路樹の樹皮下や樹洞の中、下水溝の中、ゴミ箱の下などにも定着し木造の日本家屋を好む。

ワモンゴキブリ

体長・見た目:30~45mm程度、クロゴキブリに似て、さらに大型。全身の色は明るく、胸には黄色い輪の模様があることからその名がある。

生態:性質は極めて活発でよく飛び、しかも攻撃的。1個あたり卵数6〜18個入った卵鞘を産卵。卵は約40日でふ化し、幼虫の期間は5~12カ月、成虫は4~6カ月。発育には摂氏20度以上が不可欠で、摂氏20度以下になると産卵が減少し、ふ化が妨げられる。5~10月が活動シーズンですが、摂氏20度以上の温かい場所では1年中活動しています。

分布:主に九州南部から沖縄でよく見られる。九州以北での生息も確認されており関東でも生息。

生息場所:飲食店や食料品店といった食品を扱っている場所で発生。壁内や厨房機器の隙間に生息。屋外では、便所や下水処理場、マンホール、ゴミ埋め立て地などで確認されています。

主なゴキブリの生態

  • 集団で群居し、夜行性。
  • 暗くて暖かく、狭い場所を好み、木部や段ボールの数ミリの隙間や冷蔵庫モーター部、テレビ、電話など暖かい場所に生息。
  • 湿気の多いところを好む。
  • 大変な雑食。食べかす、壁紙や本の表紙、仲間のフンなど様々なものを食べる。
  • 繁殖力がとても高い。
  • 素早く動く。
  • 壁に沿って走り隙間に隠れる。
  • 腹と背中が触れるぐらいの隙間を好む。

ゴキブリの害

  • 病原菌の運ぶ(サルモネラ菌、赤痢菌、チフス菌、小児麻痺ウィルス)。
  • フン、死骸などが喘息やアレルギーの原因となる。
  • 見た目、突然の出没、不潔さなどによる精神的苦痛、不快感。
  • 食品を食べ、フンにより様々なところを汚す。電気系統の障害(ショート)を引き起こす。
  • 嫌な臭い。ゴキブリ臭。
  • 事業者については混入やゴキブリ出没による経済的損失。

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