ヒアリ(詳しく知って、正しく恐れる)

皆さんはヒアリについてどれくらい知っていますか?
その知識は正しいですか?
このページではそんなヒアリについて紹介します。

目次

ヒアリの概要

・南米大陸原産のアリで、体長2〜6mmと個体ごとにばらつきがある。
・アメリカ、中国、オーストラリアなどに移入している。
・日本では、2017年7月に6都府県で死んだ個体24匹が発見された。

ヒアリの被害

・刺されると激痛を伴い、死に至る事がある。
・農作物を食い荒らしたり、家畜を襲うことがある。
・機械類の内部に侵入し、機械の故障や火災を起こす。
・在来種を攻撃し、生態系を破壊する。

ヒアリの死亡率

 ヒアリに刺されての死亡率は0.001%

・アメリカのデータでは、ヒアリが侵入した地域で50%〜90%の人が刺されて、アナフィラキシーショックを起こしているのはその中の1〜2%。
・全米で約1000万人刺され、10万人がアナフィラキシーショックを起こし、100人が死亡している。
・死亡するのは刺された人の中でも10万人に1人ぐらい。

この確率は宝くじの1等が当たったり、飛行機が墜落する確率と同じくらい。

ヒアリの見分け方

  ヒアリを見分けるのは難しい

ヒアリの見分け方

環境省

1.頭部や胸部が赤色から暗赤色、腹部が暗赤色から黒色
2.体型は細長い
3.全身に強い艶をもつ
4.触覚先端のこん棒部分は2節からなる
5.頭盾(アゴを除いた頭部の先端部分)に2つの棘をもつ
6.胸部の後方に棘を持たない
7.腹柄(胸と腹の間のコブ)は2節
8.連続して異なる(バラバラの)大きさの働きアリをもつ
9.動きは非常に素早い
10.成長した巣は土で盛った蟻塚を作る。

これらを1つだけ抽出しても同じ特徴をもつ日本のアリがいる。

ヒアリとよく間違われる日本のアリ

・キイロシゲアリ
 体は黄色く、腹柄は2節。秋に新女王アリが巣を飛び立ちよく目立つため間違われる。
・オオシワアリ
 体は赤く、胸部は黒でヒアリに似ている。また腹柄は2節で港湾に多く、大きさも近い。全体的に艶がなく胸の後方にヒアリにははない棘を持つ。
・オオズアリ
 体は赤く、腹柄は2節頭の大きい兵アリと小さな働きアリの2タイプある。「大きさが違う」という情報だけを覚えている人によく間違われる。
・ヒメアリ
 体は黄色く、お腹も黄色。1.5mm程でヒアリより明らかに小さく、家によく出る。家で見つかるヒアリっぽいアリはだいたいこのアリ。
・ヤガタアリグモ
 体は赤く、アリに似ているがクモの仲間。市街地に多く、よく目につくためヒアリだと間違われる。

 素人が判断するのは非常に難しい

ヒアリと日本のアリを見間違えると起こる問題

 ヒアリの定着が起こりやすくなる

・間違って在来アリを殺してしまうと、働きアリを持たないヒアリの新女王アリが安全に子育て出来たり、日本のアリが占めていた空間やエサ資源をヒアリに使われてしまう。

・ネットやSNS上でヒアリでないアリをヒアリと断定して拡散することでそのアリや別の生き物がヒアリと誤解する人が現れる。誤った情報が拡散されてしまうと二次的な誤解と殺生が起こる。

最後に

ヒアリは決して身近な存在ではなく、今も水際で食い止めるため沢山の人が闘っている。その状況への理解と、「ヒアリでないか?」と思われる生き物を見かけたら、決して触らず可能なら冷静になって本当にヒアリかどうか調べ、よく分からなければ担当機関へ連絡してください。

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